日本切手ノート (28)      15.05.06

★ 青島軍事の田型は何個あるのか?

 20世紀における日本切手の珍品は数多く有るが、その中でも「青島軍事」は最右
翼であり横綱級と言えよう。

 未使用・使用済・封筒付等、僅かながら残っているのだが、その田型となると3点
しか記録されていない。ペアについては聞いた事も無い。ここにその
3点の田型をカ
ラーでお見せしよう。

        @ A B

 @ 一番有名なのは「青島軍事」の発見者として名高い、名古屋の故前田為之助
   氏が最後まで愛蔵していたといわれる、耳付の田型である。故村田守保氏が

  
「欲しくて欲しくて夢にまでみた。」と書き残されている名品である。故岡田勝夫
   氏の仲介で、東京の有名な大コレクターのアルバムに入っていたが、
1994年
   移動して、現在は東京のさる所に眠っている。

 
A この田型は、故グルックナー・コレクションに有った品物で、金井スタンプ商会
   により、
1967年に大阪で競売に付された。最低値は85万円だったが、東京の有
   力切手商が165万円で落札し、好事家の目を剥いたものである。
数年前に別の
   オークションに出てきた時には850万円で落札されて、改めて蒐集家達を驚か
   せた。現在は関西に安住の地を得て有名蒐集家のアルバムに収まっている。

 
B 最後の1点は、三重の故森下浩さんのご自慢だった田型だが、切手の由来を
   聞かない内にご当人は遠くへ旅立たれてしまった。残念である。

 このような珍品達が、画像とはいえ一堂に会するのは大変に珍しい事で、今後の
参考に記録しておきたい。古老の蒐集家によると、
@Bは故前田氏が現地より入
手された品物であるらしい。オフ・センターの具合からすると或は同じシートであった
ものかも知れない。
Aは右上切手の加刷が少し甘いが、印字の力強さやセンター
の良い事等、
3点の中でも逸品と言えよう。

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