日本切手ノート (9)      14.09.16

★ 2002.09.17. 小泉総理が北の国を訪問されます。

 今から30年余り前、日航機がハイジャックされました。
 昭和45年3月31日、羽田発福岡行きの日航機「よど」号を共産同赤軍派9人が乗っ
取り、北朝鮮の空港に強制着陸後、赤軍派9人は北朝鮮当局に投降しました。この時
この飛行機に積載されていた郵便物は、北九州宛が殆どでしたが、積載されたまま
北朝鮮まで運ばれ、解放後の同年4月3日に福岡空港に帰って来ました。遅延はしま
したが、無事に郵便物は配達されました。下の封筒がそれです。


 東京新宿区の「社会主義協会」より長崎市内宛の封筒で、水芭蕉45円と新藤20円
が貼られた速達便です。櫛型の消印は「牛込局・昭和45年3月30日・18-24」の消印
で抹消されています。日本へ飛行機が帰って来て、福岡局で貼られた付箋には「こ
の郵便物は、乗取り事故の日航機に搭載されていたため遅延しました。」と印刷され
櫛型消印「福岡中央/45.4.3./18-24」が証示されています。最終配達局の印は櫛型
「長崎北/45.4.4./8-12」と有り、無事配達されました。外国では、この様な事故の場合
は付箋を添付する事が無い様で、そんな点でも当時話題になりました。
 ついでと言ったら何ですが、下封筒は1952年頃の朝鮮戦争時代の俘虜郵便です。
朝鮮軍に捕虜となった米国軍人が北京に在った"Chinese Peace Committee"を経
由して、米国へ送った物です。到着印は○ARMY-AIR FORCE POSTAL SERVICE.
MAR 2 .1952.100. A.P.O.が押印されています。朝鮮の消印は読めませんが、消印の
下に゛FREE VIA AIR MAIL P.L.. 6099゛のタイプ文字が読めます。その右には赤い鳩
が印刷され、平和への願いがヒシヒシと読み取れます。


 小泉訪朝が成功する事は、日本人の願いです。この様な郵便物が今後、出来ない
ように祈って記事にしました。


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