第二部・日独戦争と俘虜郵便の時代 92      07.03.29

13) 大阪俘虜収容所(その3)


図383 大阪収容所新聞の編集会議・Die Redaktion


図384

 大阪収容所では、その他の郵便関連印として、書留郵便物の受領日付印(

384
)が知られている。“大俘(大阪俘虜収容所)・日付・受附”の表示がある赤印で
ある。特筆すべきは日付入である事で、西暦を採用していることから俘虜にたいす
る確認印であると考えられる。価格表記と書留郵便物にしか確認されてなく、その
使用例は極めて珍しい物となっている。


図385

 
図385は、大阪収容所宛の価格表記(27円30銭)に押された使用例である。大正5
年7月15日
神戸三宮局差出、獨亜銀行神戸支店より国民軍のハンゼン
(Albert Hansen・Landsturm)宛。
同日の大阪堀江局中継印があり、大阪収容所に
翌7月16日に到着している。


386

 
386は、大阪収容所宛の書留便(“現金在中”の書込み有)に押された使用例だ
が、到着日付を間違えたので、訂正して再度押印している。
大正5年(1916年)10月
23日
上海日本局差出、上海永豊洋行より国民軍のハルプリッター
(Robert Halbritter・Landsturm)宛。大阪堀江局の中継印は、
10月28日、同日大阪
収容所に到着している。ハルプリッターは上海の商人で、家族も同地で彼の帰りを
待っていたのであるが、残念なことに
1920年1月、解放直前に似島で亡くなってい
る。

ご意見・ご感想は当社迄 メール でお願い致します。 目次へ